シャープの金融電卓 SHARP EL-738FBが欲しい!って人が知っておくべき情報まとめ。SHARP EL-738FBについてわかりやすく解説します。SHARP EL-738FBで何ができるか、SHARP EL-738FBの使い方、良い点、悪い点、他メーカーの金融電卓との比較も行います。
SHARP EL-738FB シャープ 金融電卓。左は専用ハードケース(筆者撮影)
SHARP EL-738FBは海外向けの金融電卓です。国内で探してみましたがシャープ正規品では同等製品は販売されていないようでした。筆者は直接海外から取り寄せて購入してみました。
第一印象は、テキサスインスツルメンツ BA II Plus Professionalに外観がキー配置似ているな、でした。電卓の表面は黒をベースに白いキー、アクセントカラーで赤色が使われている点、一番使用する[N] [I/Y] [PV] [PMT] [FV]キーの配置はテキサスインスツルメンツ BA II Plus Professionalそっくりです。という訳で隣に並べてみました。
(左)SHARP EL-738FB、(右)Texas Instruments BA II Plus Professional (2014年モデル)
黒ベースに白文字ボタン、赤いアクセントカラー、上部の[N]、[I/Y]、[PV]、[PMT]、[FV]ボタンの位置と並びを見てください。あれっ、ちょっと似ていませんか?
(左)SHARP EL-738FB、(右)Texas Instruments BA II Plus (1991年モデル)
電卓本体をスライドさせて表側、裏側両方につけられるハードケースの仕組みはテキサスインスツルメンツ BA II Plus(1991年モデル)にそっくりですね。
マニュアルを見る前にSHARP EL-738FBでローン計算の操作を行って見たところ、ba2 plus / professionalの操作と全く同じでしたので直ぐに使えましたw。答えがおかしい表示になったので、ba2 plusと同様に、[2nd] [P/Y]キーを押して設定画面を開いて1年あたりの支払い回数を1⇒12、1年あたりの複利計算回数を1⇒12に変更して正しく計算できました。この設定方法も全くba2 plusと同じでした。テキサスインスツルメンツ ba2 plus professional(以下、ba2 plusと略します)が非常に使い勝手が良い金融電卓なので同じ操作で計算できるのはありがたいです。
液晶画面は上下2段構成になっていて、上段には変数名や数式が表示され、下段には数字が表示されます。ちなみに、ba2 plusでは、液晶が1段表示で左側に変数名やメニュー名、右側に数字が表示されます。この点では、SHARP EL-738FBはba2 plusの改良版、という感じです。おそらく、SHARP EL-738FBの開発者が、それ以前に非常に完成度の高かったba2 plusの使い勝手、デザインなどを改善して開発したと予想します。
あくまでも第一印象ですが、全体的にba2 plusを改善しようという意思は感じられますが、ハードケースの使い勝手はba2 plus(1991年モデル)の方が上です。ba2 plus(1991年モデル)は本体の奥側が厚くなっているので左手の上に電卓をのせて左親指を電卓の奥に引っかけて手前に引く感じで本体をスライドさせてケースから電卓を取り出して、右手で裏返して再度ケースにはめ込む操作が非常に心地よい感覚なのです、何度も何度もケースから取り出したりケースにはめたりしたくなるのです。SHARP EL-738FBは電卓本体の底面のエッジ部分が薄くなっていて、つまりケースから取り出す際に親指への引っかかりが悪くてケースから取り外ししづらい点、及びケースの手前側がとがっていて指に当たる部分が少し痛く感じる(ちょっと説明しづらいですね)、SHARP EL-738FBは使った後に同様に左手親指で本体をはずそうとすると、親指が液晶画面付近にかかって画面に指紋がついてしまうというのがSHARP EL-738FBのちょっと残念な点です。
SHARP EL-738FB パッケージ 表面
SHARP EL-738FB パッケージ 裏面
SHARP EL-738FB と取扱説明書
上記の通り、SHARP EL-738FBは海外向け製品ですのでパッケージ、マニュアル、電卓本体も英語表記となっています。取扱説明書のモデル名が EL-738FBでなくEL-738Fとなっているのは、前モデルの型番が EL-738Fだったからでしょうか?またはBはブラック(黒色)の意味でしょうか??理由は不明です。
さて、外観レビューは終わりいよいよ本題です。どんなにかっこ良い金融電卓でも使い勝手が悪ければ価値はダウンしてしまいます。SHARP EL-738FB の使い勝手はどうでしょうか?実例を挙げて SHARP EL-738FBの使い方を説明します。
【例1】3000万円借入、利率1.35%、30年払いの月額返済額は?
N=360 ・・・Nuber of periods 360回払いの意味
I/Y=1.35 ・・・Interest rate per Year 利率=1.35(%)
PV=30000000 ・・・Present Value 現在価値=3000万円
FV=0 ・・・Future Value 将来価値=0
として PMT(Payment=支払い額)の値を求めます。
電卓で次の通り入力して PMT の値を計算します。
【例1を計算するための操作方法】次の通り入力します
360 [N] ・・・ここで[括弧付きの文字]は対応するキーを押します。
1.35 [I/Y]
30000000 [PV]
0 [FV]
[COMP] [PMT]
上記の通り、「値」を入力後に [キー] を押すことによりその [キー] に対応した変数に「値」を代入します。最後に[COMP](コンピュート)キーを押して[キー]を押すことによりその結果を計算します。上記では[COMP][PMT]を押すことにより[PMT]の計算結果を表示します。
操作方法は、テキサスインスツルメンツ ba2 plus professionalと全く同一です。違いは、ba2 plusは[CPT]キー、SHARP EL-738FBは[COMP]キーと表記が若干異なるだけです。洗練された使い勝手のテキサスインスツルメンツ ba2 plus professionalと同じ操作方法だけあってローン計算の使い勝手は良いです。同じシャープの折りたたみ金融電卓SHARP EL-K632-Xと比べても、一部使い勝手はこちらEL-738FBの方が上です。
【例1の画面の流れ】
①30 [×] 12 [N]を押して支払い回数を入力します
360 [N]でも入力できます。同じシャープの折りたたみ金融電卓SHARP EL-K632-Xは計算結果を入力する際に「30 [×] 12 [=]」と [=]を入力しないと計算結果を入力できずに最後に入力した数字だけが入力されてしまうのと違い、こちらSHARP EL-738FBは、計算式の次に直接([N]などの)変数キーを押すだけで計算結果が入力できるのは直感的で使いやすいです。
②1.35 [I/Y]を押して利率を入力します
HP 12-c が「年利」でなく「月利(つまり年利を12で割った数字)」を入力する必要があるのと比べて、こちらSHARP EL-738FBは、ba2plus professionalと同様に「年利」を直接入力できるのは直感的で使い勝手が良いです。
③30000000 [PV]を押して借入額を入力します
④0 [FV]を押して将来価値=0を入力します(返済完了という意味です)
⑤中央右側の[COMP]を押します(コンピュート=計算するという意味です)
⑥[PMT]を押します。[COMP][PMT]のセットで[PMT]の値をコンピュート(計算)するという意味です。
⑦画面上に[PMT]の計算結果が表示されました
上記の通り操作を行うことにより計算結果「PMT=-101390.53」が表示されました。これは101390円支払うという意味です。数字がマイナス値は支払いを意味し、数字がプラス値の場合は受け取りを意味します。上記計算結果では小数点以下2桁が表示されていますが小数点以下の桁数を設定変更することができます。
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