容積率の意味を分かりやすく解説

2018/10/19更新

容積率とは?

容積率とは、建築物の広さに対する基準の一つで、敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合のことです。容積率の計算式は次の通りです。延べ面積を抑えることで前面道路の混雑防止を目的としています。

容積率=延べ面積 ÷ 敷地面積

例えば、容積率200%のエリアで敷地面積が100㎡の場合、
延べ面積の上限 = 敷地面積 × 容積率 = 100㎡ × 200% = 200㎡
となり、200㎡の延べ面積の建物を建築することができます。この場合、敷地面積100㎡のうち、建物が建っている部分の面積が80㎡とすると、1Fが80㎡、2Fが80㎡、3Fが40㎡(以上合計200㎡)の建物や、1Fが80㎡、2Fが60㎡、3Fが60㎡(以上合計200㎡)のように延べ床面積が200㎡までの建物を建築できます。

容積率の緩和条件

容積率はの条件で緩和されることがあります。

共同住宅の共同廊下、階段、エレベーターの部分は延べ面積に算入しない

マンションなどの共同住宅の場合、共同廊下、階段、エレベーターの部分は延べ面積に算入しません。

地階の一部容積率不算入の条件

建物の地階にある住居部分の床面積はその建物の(地階も含めて)住居部分の床面積の1/3までは延べ面積に算入しません。これは老人ホームにもて提供されます。

例えば、全体の敷地が120㎡あるとして、容積率80%の場合、延べ面積は120㎡×80%=96㎡までの延べ面積の建築をできますが地階を作る場合は地階48㎡、1F48㎡、2F48㎡のように、1F、2Fの延べ面積が容積率80%まで、に加えて地階48㎡、合計144㎡(地階48㎡は建物全体の延べ面積144㎡の1/3まで)の建物を建築することができます。

前面道路幅による容積率の制限

敷地の前面道路の幅が狭い場合は容積率が制限されることがあります。前面道路の幅員(ふくいん)が12m未満の場合、次の計算式に当てはめて計算された数字と都市計画で決められた容積率とを比べて厳しい方の数字がこの敷地の容積率となります。

前面道路の幅員(m) × 4/10(住居系用途地域の場合)
前面道路の幅員(m) × 6/10(その他の地域)

例えば、準住居地域において都市計画で定められた容積率が400%の場合、角地にある敷地の前面道路が4mと6mであった場合、広い方の道路を使って計算します。

前面道路の幅員(m) × 4/10 = 6 × 4 / 10 = 2.4 ⇒ 240%

という計算になり、都市計画で定められた容積率400%と比べて厳しい方の数字240%が採用され、その敷地の容積率は240%という計算になります。上記の通り、その地域の都市計画で定められた容積率が大きい場合も前面道路幅により容積率は制限されます。

異なる容積率の地域にまたがる敷地の容積率の計算方法は?

複数の異なる容積率の地域にまたがる敷地の容積率は、それぞれの地域に含まれる敷地の広さで重み付けされた敷地全体の容積率の平均値となります。

例えば、敷地の広さが100㎡あり、うち30㎡が容積率100%の地域、残り70㎡が容積率200%の地域にまたがっている場合その敷地全体の容積率は次のように計算します。

100(%) × 30(㎡) / 100(㎡)+200(%) × 70(㎡) / 100(㎡)
= 30(%) + 140(%) = 170%

という計算結果になります。この場合も前面道路の幅員が12m未満の場合は前述の通り前面道路を考慮した容積率を地域毎に計算します。

関連用語: 建坪率, 容積率