雨漏りが発生して天井の隅に黒カビが発生している状態
不動産用語において雨漏り(あまもり)とは、雨が降った際に意図しない箇所から雨が室内へ侵入することを言います。不動産以外では車などの乗り物で室内の雨が侵入することも言います。ここでは、建物で発生する雨漏りについて記述します。
雨漏りの建物内の侵入経路と原因は次の通りです。
屋上やバルコニー、ルーフバルコニーなど、上面がフラットになっている屋根を陸屋根と言います。陸屋根は上面がフラットになっているので水が溜まりやすい構造です。通常は屋根にもうけられた排水溝から雨水が建物外に排出されますが、排水溝が落ち葉などで詰まって壁と壁の隙間、または屋根と壁の隙間、または排水溝と屋根の隙間などから雨が建物内に侵入してしまうことがあります。
また、陸屋根の屋根は通常防水加工が行われていますが、10年~20年と経過するうちに防水性能が劣化して屋根から直接建物内に雨が侵入して雨漏りが発生することがあります。
屋根が斜めになっているタイプの屋根は、屋根と屋根の隙間から雨が建物内に侵入したり、または台風などの強風、地震等の天災により瓦や屋根が剥がれて雨が直接建物内に侵入してしまうこともあります。
ひび割れが発生したコンクリート外壁(筆者撮影)
横殴りの大雨が降った際など、サッシと壁の隙間から雨が侵入したり、または外壁のわずかなひび割れから雨が建物内に侵入することがあります。
タイル張りの外壁の目地が劣化して発生した雨漏りを補修する工事例
タイル張りの外壁の目地が劣化して発生した雨漏りを補修する工事例
タイル張りの外壁の目地が劣化して雨漏りが発生することがあります。
アルミサッシのパッキンから発生した雨漏りを補修する工事例
サッシのパッキンが劣化して雨漏り発生しまうことがあります。
大雨が降った際に、建物の周りにできた水溜まりがドアの隙間から親友したり、または床の下から水が建物内に親友することがあります。
防水加工が劣化したルールバルコニー(筆者撮影)
防水加工修繕済のルールバルコニー(筆者撮影)
陸屋根からの雨漏りと同様に外廊下やルーフバルコニーに貯まった雨水が外壁との隙間や小さな隙間を通じて建物内に雨が侵入してしまうことがあります。
雨漏りが発生してしまった場合は次のような対策を行い雨漏りを防ぎます。
防水工事施工写真例
屋上・外壁防水業者に防水加工を発注します。なお、ルーフバルコニー、陸屋根の防水工事料金はその広さによっても違いますが思った以上に高いです。ルーフバルコニー、陸屋根の防水作業料金は数十万円~200万円を超えることもあります。概ね10年~15年毎に防水工事を行う必要があります。
防水工事代金を節約するために防水を行わなかった場合、建物内部に黒カビが発生するなどして物件の価値が大きく毀損してしまうこともありますので注意が必要です。
屋上同様に防水工事業者に防水工事をお願いしますが、ひび割れした箇所をパテ埋めしたり、または軽い雨漏りの場合は壁面全体に防水塗装を行うことにより雨漏りを防ぐ効果もあります。また出窓や通常のサッシの場合、窓の角部分から壁にヒビが発生したり、または窓と壁の間のパッキンが劣化して雨が室内に侵入することもあります。特定の窓からのみ雨漏りが発生する場合はその雨漏り箇所のパッキンのみを交換することにより雨漏りを防ぐことができる場合もあります。
一棟マンションの場合、壁面の防水加工は屋上の防水加工と同様に高価な工事代になります。3階を超えるようなマンションの場合は高所作業車を使ったり、または足場を組んだ上での防水工事となりますのでさらに工事費用が高くなってしまいます。一棟マンションのオーナーができるだけ防水工事代金を節約したい場合は雨漏りが発生している壁面のみ(例えば東側の壁面のみなど)に対して防水塗装を行うこともあります。防水塗装のみを行う場合、5階建てのマンションの一方の側面のみを防水加工する場合の費用の目安は30万円~となります。
雨漏りが発生して外壁や屋上の防水加工を行った場合、雨漏りを未然に防ぐための工事でなく雨漏り発生後に工事を行ったのなら、室内の壁紙が雨漏りで剥がれたり室内や押し入れ、天袋内などに黒カビが生えてしまったりすることもあるので室内の壁紙張り替えなどのリニューアル費用が発生することもあります。
雨漏りの修繕費用は、上述のとおり本当に高いです。また雨漏りによってはどこから雨漏りが発生している分からず調査するだけのために費用と時間がかかってしまうこともあります。雨漏りの箇所を特定するために、外壁、外廊下、屋上などにホースを使って大量の水をまいたり、またはピンク色などの色が付いた粉を使って水を流してその色の水が室内に現れるかどうかで雨の侵入経路を調べることがあります。
雨漏りを未然に防ぐために、バルコニーや陸屋根、雨樋などに枯れ葉やゴミが詰まってしまわないよう定期的に清掃を行う必要があります。
また、雨漏りが発生して室内に黒カビが発生してしまった後に修理を行うには室内リニューアル費用が発生するなど防水に関する工事費用が高くなってしまうため、10年~15年くらいのスパンで計画的に屋上、壁面、バルコニー、外廊下などの防水工事を計画しておきましょう。
防水工事には多額の費用がかかってしまうため、不動産投資物件を所有されている方は雨漏りが発生する前に物件を売却するという方法もあります。なお、個人や業者から購入した不動産で雨漏りが発生してしまった場合は契約内容にもよりますが前オーナーに雨漏り修繕費用を請求できるケースもあります。または雨漏りが発生した際に修繕代金を請求しない代わりに物件を安く購入するという方法もあります。
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